ルーベンスの庭で~ベルギー生活記

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自由と権利と

9月1日から新学期がスタートしました。
新入学生たちは期待と緊張の混ざった様子で登校していました。お母さん方にとっては、2か月という長い夏休みがやっと終わってホッとしているみたいですが・・・^^

この日アントワープでは、夏休み前からどうなるのかと懸念されていた問題が話題になりました。
それは、「学校内でのスカーフ禁止」です。
宗教的シンボル(スカーフやブルカ)禁止は数年前からフランスやドイツなどでも問題となっていますね。
IMG_3211.jpg
ベルギーでよく見られるスカーフを被ったムスリムの女性達。


先学期が終了する6月、アントワープとその郊外にある2つの王立(公立)学校が、「9月の新学期から学校内での政治的、宗教的シンボルの着用禁止」を発表していたのです。この2校は、今までスカーフを禁止していなかった、市内では最後の学校らしいのです。

ベルギーでは特にモロッコ系移民が多く、二世、三世・・と、その数は年々増えています。
今回スカーフの禁止を決めた学校側の主張は、この5年間でムスリムの数は2倍となり(クラスの50-70%)、そうでない生徒達が威圧されて平等性が失われつつあるため、といいます。ムスリムでない生徒(又は自由主義的なムスリム)にも公平でリベラルな教育を受ける権利はあるわけですよね。

当然、保守的なイスラム教徒の生徒や保護者、団体からは強い抗議を受けています。アントワープには極右政党の本部があるからか、政治的な思惑があるのでは、という見方もされているようです。
6月、アントワープのイスラム教指導者は生徒たちに新学期からボイコットするように呼びかけていました。
「我々はアントワープで生まれ育ち、税金も納めている。スカーフは宗教的シンボルではなく、イスラムのアイデンティティの一部である。そして教育を受ける権利は平等にあるはずだ!」と声をあげて。

もちろん、子供たちには教育を受ける権利があります。信仰の自由もある。
イスラム教の中でもスカーフ着用については賛否両論ありますし、ベルギーの公立学校なんだから「郷に入りては郷に従う」のは当然という意見もあります。

そして始業日の9月1日。
この2つの学校の前では、数十人のムスリム女生徒達が「選択の自由を!」というプラカードを持って抗議デモを行っていました。わざとスカーフの上からミッキーマウスのやウサギの耳を付けたり、他の被り物をかぶっている姿もありました。彼女達は学校に行きながらも抗議は続けると言います。

学校の発表によると、多くの生徒は規則に従ってスカーフを外していたそうです。スカーフ禁止を理由に辞めた生徒は少なく、抗議しているのは一部の生徒だけなので、じっくり話して理解を求めるようです。そうでなければ、アントワープではスカーフ着用を許可している学校が他にないのですから、彼女達は教育を受ける場がなくなってしまうのです。
ここまでコミュニティが大きくなってくると、イスラム教の学校を創設する必要があるのかもしれませんね。

またこの学校では、ムスリムの女生徒達がスカーフの着脱ができるようにと鏡を付けた更衣室を用意したり、課外授業などで外へ出る時はスポーティなスカーフ(たぶんこんな風なもの)の貸与もするとも言っています。
これは学校側の苦肉の策なのかもしれませんが、ある意味ではムスリム女性徒だけを対象としており公平性に欠くという指摘もあるようです。う?ん、難しいですね?。

これは宗教の弾圧や差別ではない、公平で平等な環境を作ることが大切だという一方で、信仰・思想・選択の自由を認めるべきだという主張もある。

どちらの言い分もそれぞれの立場から考えれば正論だろうと思います。
こういう議論はどこまでいっても平行線、双方納得のいく着地は難しいのでしょうね。多くの移民が住んでいる欧州が抱える問題の一つですが、考えさせられます・・・。

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