ルーベンスの庭で~ベルギー生活記

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ムスリム達の祝日

ここのところ、強風と断続的に降る雨という悪天候が続いています。
こんなお天気ではなかなか外へ出る気になれませんが、ブリュッセルでは昨日、一足先にクリスマスイルミネーション&マーケットが始まりました。

IMG_1150.jpg
(これは2008年のブランプリュスの写真。今年の様子はまた今度!)

アントワープの町中も少しずつクリスマスの飾り付けが始まりましたが、先週までの妙に暖かい気候のせいもあってか、まだまだそんな気分でもなく、盛り上がりはイマイチ。聖ニコラウスが来てからのようです。

ヨーロッパの多くの国はキリスト教徒が多いので、クリスマスは大切な祝日。でも今日は、ベルギーのクリスマスじゃなくてイスラム教徒のお祭りについて書こうと思います。

アントワープにも多くのムスリム(イスラム教徒)が住んでいるので、彼らの祝日は結構身近に見ることができるのです。昨日初めて知ったその祝日とは、"Eid Al-Adha"(イード・アル・アドハ)です。日本語では「犠牲祭」と訳されています。

この犠牲祭はラマダン(断食)明けの祭りと共にイスラムの重要なお祝いといわれています。イスラム暦の第12月の第10日に行うということで、西暦では2009年は11月27日?30日となっています。

犠牲祭の由来ですが、コーランによれば、預言者アブラヒームが神(アッラー)の命令により長男イシュマエル(女奴隷から生まれた子)を犠牲に差し出そうとしたところ、御使いがやってきて羊と取り換えられて助かった、という故事によります。
面白いことにこのお話、キリスト教でも旧約聖書の創世記に全く同じ記述があります。聖書によれば、アブラハムが犠牲に差し出したのは後に生まれた正妻の子供イサクでした。
イサクの子孫からキリストが、イシュマエルの子孫からアラブ人が生まれ、後のイスラム教が誕生するので、まさに分岐点ともいえる出来事です。

この犠牲祭、何が行われるのかというと、羊やヤギ、牛などの動物を屠殺するのです。
実は昨日ニュースを見ていたら、屠殺現場の衝撃的な映像が映し出されてビックリしました。
(※ここから先はちょっとグロテスクな表現を含みますので読みたくない方、お食事前の方は読み飛ばして下さい。)

羊や牛などの動物は生きたまま喉元が切り裂かれます。血を流しながら苦しくて暴れるところを取り押さえ、血がほぼ抜けたところで針金に逆さ吊りにします。そして頭を切り落とし、皮をはがし、最後にお腹を割いて内臓を取り出します。当然、辺りは一面血の海です。

いくら神聖な儀式とはいえ、やはり生きたまま殺すという行為はとても残酷で、西洋人だけでなく日本人にもショックが大きいと思います。
でも、イスラムの人達にとってはアラブ人の祖であるイシュマエルの身代わりとなった羊は神の恵み。神(アッラー)に対する感謝の意を表して自分達の大切な動物を生贄として差し出すとても大切な宗教儀式なのですね。年に一度、各家庭や町の広場などでこの作業が行われているのだそうです。

ベルギーでは、家で羊を捌くムスリムのことが問題となっていると聞いたことがありますが、アントワープ北部の町には専用の屠殺場があるそうです。ニュースでは、ここで捌いた羊を背負って、「今日はこれから家族でご馳走の準備だよ」と嬉しそうに帰って行く男性の姿がありました。
こうして捌かれた羊は、まず1/3を貧しい人へ、1/3を親戚や友人へ、そして1/3を家族で食べるそうです。頭から皮まで全て感謝していただくため、無駄にするところは無いといいます。

世界に推定10億人以上いるといわれているイスラム教徒たち。昨日、世界中で犠牲祭の為に何頭の動物が屠殺されたのだろうと思うと、今まで知らなかった事の方が不思議な気がしました。
とても衝撃的なニュースだったけれど、ムスリム達と共存しているヨーロッパの地で、イスラム教の一部を知るいいきっかけになりました。

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