ルーベンスの庭で~ベルギー生活記

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

Open monumentendag 2009

9月13日(日)は"Open monumentendag"といって、文化遺産の無料公開日でした。ベルギー各都市で開催されていて、普段は入場することのできない文化遺産を見学することができます。

毎年テーマが決まっているようで、第21回目の今年のテーマは"Zorg"。
「世話、配慮、心配」などの意味で英語の"care"に当たると思います。
貧しい人、病気の人、お年寄りや孤児、港で働く人達のケアに当たっていた施設が公開対象となっていました。

IMG_4200.jpgアントワープでは41カ所、無料で配布されるガイドブックを見て、街歩きを楽しみながら見学できます。
この日は時折雨が降る肌寒いお天気でしたが、多くの人が見学に訪れていました。
私たちも全部は見られないので、数か所周ってきました。

日頃、「古いな?」「これは何の建物かな?」と気になってはいたけれど入ることができなかった場所も見ることができたので、とても興味深かったです。

今日はその中の一つをご紹介したいと思います。

IMG_4184.jpgこちらは現在"Cultureel Congrescentrum Elzenveld"(直訳すると「文化会議施設」 兼ホテル)となっている建物の中庭です。


実はここはアントワープで一番古い病院、Sint-Elisabethgasthuis(聖エリザベート慈善病院)がありました。
その起源は13世紀初め、元々は聖母大聖堂の近くにあったと言われています。当初は貧しい病人の為の修道会のようなもので、修道士が世話をしていました。やがて場所が狭くなってきたことと、感染拡大を防ぐ為に、1238年、当時は市壁の外側にあったこの場所(Elzenveld)へ移されました。
大聖堂付属のような形だったので最初は「聖母」の名を付けていましたが、1337年に、夫の死後貧しい人や病人の救済に尽くしたハンガリー王女にちなんで、聖エリザベート病院へと名称が変わりました。

当初の建物の様子は今ではもう伺い知れませんが、この施設の中で最も古い部分が残っているのが礼拝堂です。
IMG_4190.jpgOnze-Lieve-Vrouwe-Kapel。
外観もいかにも古そうです。

当時はローマ教皇の命で、病院には礼拝堂の建設が義務付けられていたようです。
今でもカトリックの病院には大抵礼拝堂がありますね。


IMG_4185.jpg一番古いとされているのは身廊で1400年頃、大きな聖歌隊席(内陣)は1442-1460年の建築だそうです。
壁の一部に、古い壁画らしきものが残っている部分もありました。

この日はオルガンコンサートも行われました。


IMG_4187.jpg後に修繕したり新しくしたものもあると思いますが、祭壇やステンドグラスも立派です。


次に古い部分として残っているのは広間です。

1460-1484の間に建てられたと思われ、中世の広間の典型的建築例だそうです。
IMG_4188.jpg部屋の真ん中に柱廊が残っていて不思議な感じですね。

16世紀以降の度重なる改築や増築で、この建物は様々な様式が混ざった複合体になっているようですね。
この広間も病室として使用されていました。

こんな風に。↓
IMG_4189.jpgこの聖エリザベート病院は、1238年にこの地に移ってから1988年まで、何と750年の歴史があります。
この間、多くの貧しく病に苦しむ人々を慰め、救済してきたのですね。

現在もこの建物と隣接して聖エリザベート病院があります。

他にも古いオルガン、蓄音器などが置いてあるゲストルームもあり、病院で使用していた陶器などが展示してありました。シスター(修道女)達のキッチンなどもあったのですが、見学できなかったか、見逃したか・・・(^_^;)
こちらで各部屋の写真が見られますのでよろしければどうぞ。→"Cultureel Congrescentrum Elzenveld

以前に紹介した植物園はこの病院の一部でした。
植えられている植物も今の季節はすっかり変わって・・・・

IMG_4179.jpg色んな種類のサボテン!

この日は植物園の中にある温室もオープン。こちらもサボテンやトロピカル植物がいっぱいでした。^^

季節が変わると雰囲気もだいぶ違います。

ヨーロッパではこうした「文化遺産公開日」があって、一般の方への芸術や文化・歴史に触れるとても良い機会だと思うのですが、日本ではあまり聞かないですよね。
個人や企業の所有になっている文化遺産なども、こうして無料公開してくれたらいいのにな?と思うのですが・・・。
混雑ですごいことになりそうですかね。

スポンサーサイト

PageTop
 

コメントコメント


管理者にだけ表示を許可する
 

初めて知りました!

こんにちは!

「オープン・モニュメント・ディ」初めて知りました。
とても素晴らしいイベントなんですね!
日本には残念ながらそのようなイベントもそれだけ多くの歴史的建造物も無いような気がします。

聖エリザベート慈善病院の名前の由来は、
ハプスブルク家の”シシィ”ことエリザベートから来ているとか・・・
実は私がヨーロッパに興味を持ったきっかけは、
建築物ではなく彼女だったのです(笑

日本でもようやくコンバーションなどが増えてきて、
歴史的建造物をカフェやイベントスペースなどへ用途変更して残していこうというプロジェクトが出てきましたが、ベルギーなどの足元にも及びませんね。

うらやまし~


noi

noi | URL | 2009/09/16 (Wed) 02:29 [編集]


管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2009/09/16 (Wed) 07:55 [編集]


noi様

こんにちは。コメントどうもありがとうございます!

こういう文化遺産の日、日本でも取り入れて欲しいですね。ヨーロッパは色んな意味で芸術と一般の人との距離が近いなぁと思います。パリでも今週末に開催されるそうですよ。

病院の名前の由来ですが、シシィではない別のエリザベートです。紛らわしい書き方でごめんなさい!
ハンガリー王の娘で"エルジェーベト"とも呼ぶそうで、13世紀の人です。パン屋や孤児、病院の守護聖人となっています。
香水を初めて作ったのもエリザベート王女だとかエリザベート王妃だとか(別人です)言われているようで、たくさんのエリザベートさんがいますので混乱しますね・・(^_^;)

ベルギーのカフェやレストランは古い建物を上手く利用している所が多く、そういうセンスは素敵だなぁと思います。日本も全て壊して近代的なものを造るのではなく、古いものとの共存という意識がもっと広がるといいですね。

JJ | URL | 2009/09/16 (Wed) 08:54 [編集]


 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。