ルーベンスの庭で~ベルギー生活記

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言語が国を分断する?

現在日本を訪問中の初代EU大統領Herman van Rompuy氏。
彼がEU大統領に選ばれたことによってベルギーの首相が交代したものの、たった5カ月で早くも政権崩壊してしまいました?。

少し前、テレビのニュースでも「フランス語話者がなんちゃらかんちゃら?」と言っていたので、また蘭語と仏語で対立かしらん?・・・と思っていたらやっぱりそうだった!

内容は難しくて分からないのですが、やたらと目についた"Splits BHV"という言葉。
今回の政権崩壊の発端となったのも「BHV問題」だというけれど、「BHV問題とは何ぞや?」と疑問に思ったので調べてみました。過去の経緯などは省いて、現状をごく簡単にまとめてみます。

ベルギーの政治システムは複雑です。言語による違いと地域による違いがあるのですが、よく知らないという方はまずこちらをどうぞ。→ 言語境界線選挙に関する記事

さて、問題になっているBHVとは、Brussel-Halle-Vilvoordeという各地域の名前を冠した選挙区・裁判区のことです。

ベルギーは10の州があるのですが、言語境界線(左下)を見ると分かる通り、ブリュッセルはVlaams-Brabant(フラームス・ブラバント)州という蘭語圏であるフランダース地域に位置しながら、蘭語と仏語という二カ国語を公用語とする特別な地域なわけですね。

viewer.jpg

ベルギーの選挙区はそれぞれの州と重なっているのですが、唯一例外なのがこのVlaams-Brabant州。この州では更に「Leuven地区」と「BHV地区」という2つの選挙区に分かれています。
viewer1.jpg

どうやら一番の問題は、HalleーVilvoordeという蘭語地域と2カ国語都市であるブリュッセルが一緒になっていることにあるようです。ブリュッセルと同じ選挙区になっているということは、ブリュッセルに拠点を持つフランス語話者が立候補すると、蘭語圏のHV地区での票集めができることになります。
本来は(ブリュッセルを除いて)フランス語話者はワロン地域、蘭語話者はフランダース地域という原則がこの地域では崩れてしまうことになるのですね。

フランダースの政治家達は、それは違憲であるので、BrusselとHalle-Vilvoordeを分離してBrusselは単独選挙区として、HVは他の州と同様に蘭語圏のLeuvenと一緒にせよ!(=Splits BHV)と言っているようです。

ブリュッセルはバイリンガル都市とはいえ、実際にはフランス語話者が多いのです。近年は蘭語を勉強せず、インテグレーションも受けないフランス語話者がブリュッセル周辺の蘭語地域にも広がっているそうなので、それを快く思っていないというのもあるかもしれません。

これに対してフランス語圏の政党はもちろん猛反発。この話し合いが上手く行かずに決裂してしまい、フラマンの政党が離脱、Leterme首相は「手に負えませ?ん」と辞職してしまったのが今回の顛末のようです。それにしても匙を投げるのが早くないかな?!
<フランダース系の情報がメインなので偏ってるかもしれません。間違っていたらご指摘下さい>

やっぱりHerman van Rompuy元首相は調整が上手かったのでしょうね。時々テレビで見かけた国会風景も、蘭語と仏語を巧みに操って笑いを誘ったりといい雰囲気だったように見えました。

同じようなことが2007年にもあったのでしたっけ。このBHV問題は長年解決しないままくすぶっていて、数年毎に表面化しているみたいですね。もちろん背景には経済的な事情なども含まれるのかもしれませんが、再びベルギー国内は揺れています。
また6月に総選挙となりそうですが、BHVはどうなるのかしらん? 次期首相は??

でも、多くのベルギー国民は分裂を望んでいないし、分裂を叫ぶ政治家とは温度差があると聞いたことがあります。こういう内輪の揉め事よりも経済を何とかしてほしいと思っているようなのです。

多言語国家も大変ですねぇ
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| | 2010/04/29 (Thu) 00:15 [編集]


この政権崩壊のニュースこちらでBBCでちらっと言ってました。
私も政治の事は難しくて複雑なのであまり分からないのですが、ベルギーは小さな国なのに多言語で政党も複雑ですよね~。
前に聞いた事がるのですが、一部の仏語圏の人達はあまり働きがよくないのに蘭語圏から援助はしっかりたくさん受けているらしく、それが当たり前になっていて蘭語圏の人たちは一生懸命働いて多額の税金を払って割りに合わないって言ってました。
本当かどうか分かりませんがこう言う事からもきてるのでしょうかねー。
でもほんともっと大きな経済の問題が先なのでは?って思いましよね~…

ほ~みぃ | URL | 2010/04/29 (Thu) 03:04 [編集]


鍵コメント(Sさま)

日本はGWですね。こちらは祝日が少ないので羨ましく感じますよ。

ベルギーの言語がからむ対立は複雑ですが、同じ日本語でもフニャフニャな日本の政治も・・・ですね。
どこの国でも政治家と国民との意識の差は大きいようです。

JJ | URL | 2010/04/29 (Thu) 15:55 [編集]


ほ~みぃさん

分裂は望んでいないけれど、フランダースで支払われた税金がワロンに投入されてしまうことに不満を持っているという話しは私も聞きました。
移民のインテグレーションの義務化も2つの地域で差があるようなので、そういうところからも格差や溝が生まれてしまうような気がします。
ベルギーの人々はどう思っているのでしょうね。こればかりは日本人の私にはなかなか理解できません。

JJ | URL | 2010/04/29 (Thu) 16:03 [編集]


 
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