ルーベンスの庭で~ベルギー生活記

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

リネンと猫と戦争と

今年の春と先月末、2度訪れた町があります。
西フランダース地方の小さな町、Ieper(イーペル。又はYpres(仏):イープル)

日本人には、3年に1度開催される中世から続く「猫祭り」の町として知られているかもしれませんね。
イーペルは古くから繊維産業が栄えていて、ネズミの被害から織物を守る為に猫に織物番をさせていた、というのがお祭りの由来だそう。

私は猫祭りには行かなかったけれど、猫の格好をした人々が町を練り歩いたり、猫人形が投げられたりするみたいで、楽しいのかな??

猫祭りで有名なだけに、こんなものを見つけましたよ。^^

IMG_6623.jpg

猫ちゃんもいいけれど、私達の目的は別。
ベルギーに来て初めて知った、イーペルの町にまつわる歴史のお話・・・

イーペルの町はもっと小さいのかと思っていたのですが、想像以上に立派で美しい建物にビックリ。

IMG_6629.jpg

Grote Markt(マルクト広場)に建つ鐘楼の塔を持つ立派な建物は繊維ホール。

IMG_8614.jpg

11?13世紀に繊維産業で栄えたイーペルは、ゲント、ブルージュに次ぐ重要な都市となり、14世紀の人口はロンドンより多かったのですって!
この繊維ホールを見ればこの町が豊かだったことが容易に想像できますね?。

繊維ホールの裏にはSint-Maartenskathedraal。これもとても立派!

IMG_6624.jpg

この大きくて重厚な繊維ホールは1304年に完成。現在は市庁舎と博物館になっています。
私達の目的は、この博物館"In Flanders Field Museum"でした。

第一次世界大戦で最も過酷な戦場となったと言われているのがベルギーのフランダース地方。特にこのイーペル周辺です。
この博物館は『フランダースの戦場博物館』なのです。

館内には戦前?戦後の歴史(経過)や様子が豊富な写真や映像、武器や遺品などで展示されていて、かなり見応えがありました。

中でも特に多かったのがガスに関する展示。

IMG_6620.jpgもしかしたらこれは期間限定の特別展示だったかもしれませんが・・・


実はイーペルは史上初めて大量毒ガス攻撃が行われた場所なのだそうです。
第一次大戦後半で使われたマスタードガスが"Yperite"(イペリット)と呼ばれているのも、このイーペル戦で初めて使われたことに由来するようですね。

博物館の中に1918年頃のイーペルの町を空撮した写真がありました。

IMG_6618.jpg

最初に写真で見た繊維ホールとSint Maartenskathedraleが壊滅的な被害を受けているのがお分かりでしょうか。
人類史上初めて大量毒ガスが使用されたイーペル、人類史上初めて核兵器が使用された広島。日本人の私はこの写真を見てすぐに、長崎や広島と重なりました。

事実、第一次大戦であまりにも過酷で甚大な被害を受け、多くの方が戦死したこの地は、ヨーロッパと英連合軍として戦った国々の人々にとっては、忘れることの出来ない場所なのだそうです。

繊維ホールがある広場から東へ100m程行くと、大きな石造りの門"Menenpoort"(メニン門)があります。

IMG_6631.jpg

1927年の英政府によって建設された第一次大戦で亡くなった戦没者の慰霊する為の記念碑でもあります。
この門の壁の内側・外側には戦争で亡くなった方々(英国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、南アフリカなど英連邦軍として戦った人々)54,896名の名前がビッシリ刻まれています。

IMG_8600.jpg

この門では、毎晩8時になると"Last Post"という戦没者を慰霊してラッパを吹く儀式が行われているのですが、これが1928年以降毎晩欠かさずに続いているのです。このブログを書いている今日は28239回目ですって!
<Last Postの様子はこちらでご覧になれます→ Last Post

そしてヨーロッパで重要な第一次世界大戦休戦記念日である11月11日には、このメニン門で英国と合同の戦没者慰霊式典が行われます。去年テレビ中継を観たのが、私がこのイーペルに興味を持ったきっかけでもありました。

日本もここから遠い東の地でイギリスの同盟国として参戦したわけですが、この地での被害と比べたら少ないものでした。
イーペルに来ると、この戦争がいかに大きな犠牲をもたらしたのか、またそれを忘れないようにという強い想いが伝わってくるようです。

現在のイーペルの美しい街並みは、戦争で破壊された元の素材を出来る限り利用して、当時の姿そのままを再現したのだそう。

IMG_8603.jpg

イーペルは今、"Vredesstad"(平和都市)と名乗っています。


にほんブログ村 海外生活ブログ ベルギー情報へ
にほんブログ村

スポンサーサイト

PageTop
 

コメントコメント


管理者にだけ表示を許可する
 

私、初めは日本の猫好きの友達から猫祭りって言うのがベルギーであるんだよね~って聞かれその時は知らず調べた次第です。でも歴史上の事までは調べていませんでしたので今回初めて知りました。
1928年以降毎晩慰霊の儀式が行われているとは凄いですね。興味深いです。戦没者も救われますよね。

ほ~みぃ | URL | 2010/09/14 (Tue) 05:24 [編集]


ほ~みぃさん

私もベルギーに来て初めて「猫祭り」の事を知りましたよ。有名なんですね~^^;

フランダースが第一次大戦の時に激戦地だったことも、こちらに来て知ったのです。日本ではほとんど習いませんしね、ガイドブックに載らない情報ですよね。
ベルギーって調べてみると奥が深いというか、いろいろ興味のあることが出てきます。^^

JJ | URL | 2010/09/14 (Tue) 07:46 [編集]


 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。